フェンビーとディーリアス

「ブリッグの定期市」「春はじめてのカッコウの声を聴いて」など、今日ではディーリアスの名作の一部はオーケストラ・レパートリーとしてすっかり定着していると思いますが、僕が学生だった頃(ん~十年前)は、「だれそれ?」みたいな認知度だったと記憶してます。母校のオーケストラを指導して頂いていたD・ハウエル先生の指揮でオール・イギリス・プロをやらせてもらったのが僕が4回生の年。ブリテンの「シンフォニア・ダ・レクイエム」をメインに、エルガーの「コケイン」、ホルストの「完全な馬鹿」、そしてディーリアスの「ブリッグ」でした。その当時は「へぇ~、こんな曲あるんやなぁ」程度の知識で勉強していましたが、今となってはこれらの曲が全てとても重要であったことが解り、先生に感謝。今回の演奏会で取り上げる「二枚の水彩画」は、もともとはディーリアス初期の合唱曲「水の上の夏の夜を歌わん」をエリック・フェンビーが弦楽合奏用にアレンジしたものです。フェンビーは1928年からディーリアスがこの世を去る1934年まで、病気で作曲活動ができなくなった彼の手足となり、代筆者となった人です。1968年に映画監督のケン・ラッセルがこの、ディーリアスとフェンビーの暮らしをBBCでドラマ化しているそうです。う~ん、見てみたい・・・。ところで、イギリス出身のディーリアスですが、なんとなくタッチが印象派チックと言われますよね。彼は実家の商売の関係でフロリダに赴いたり、音楽はドイツで勉強したりと、とてもグローバルな動きをされた方です。後年はフランスで活躍していて、晩年はパリ近郊のグレ=シュル=ロワンで過ごしています。この「二枚の水彩画」はたったの5分ほどの小品ですが、フランスの田園風景が目に浮かぶような印象深い名曲です。

 

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